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語学の学習
語学の習得には気が遠くなるような長い年月がかかるので、
途中でくじけることのない強い精神力が求められます。言語学者や有識者たちが、
日本の英語教育や日本人の英語力をどのように見ているかを紹介します(まとめ R.Y)。
(1)外国語の学習は年齢に関係ない ハーバード大 キャロル教授
- 英語を学習するのは子供のときのほうがよい、と日本ではいわれているがそれ
は俗説である。確かに音声の学習は小さい時ほどよい。しかし、難しい英語の
本を読んだり書いたりする能力を学ぶのは、年齢とは関係ない。
- それよりも、自国語による読み書きの能力を十分に持っていることの方がだい
じである。
(2)リスニングで困る日本人 青山学院大 橋本光郎教授
- 海外でほとんどの日本人がつまずくのは、相手の言っていることが聴けない
からである。リスニング能力がなかったら、勉強・仕事はいうまでもなく、
生活をエンジョイすることなど、まったくできない。逆に、聴く力さえ備わ
っていれば、身振り、手振りだけでもコミュニケーションは可能である。
- 30年以上もリスニングを続けているが、毎日のようにわからない単語や表現
に出くわす。どんなに努力してもnativeのようにはなれないが、努力しなけ
ればいけないと思い、楽しみながらがんばっている。
(3)外国語の学習は生涯をかけて 元・文部大臣 永井道雄
- 高度な文化を持つ国(米、仏、独、露、日、中)の言語を学ぶのは非常に難しい。
言語を学ぶというのは、文化を身に付けることでもあるからだ。
- 日本語で書かれた文章を理解できないのは、日本語がわからないからではない。
むしろ、論理的な思考力、専門的な知識が不足のせいであることが少なくない。
外国語の勉強に先立って、まず必要なのは、専門知識を含めた日本語の読解力を
養うこと、日本語でできるだけよい文章を書くことである。自国語で論理的な文
章を書けなければ、外国語ではなおさら書けるはずがない。
- 自国語を含めて、言語は会話にすぎないという考えかたがあまりにも盛んになれ
ば、それだけ言語と文化がおとろえる。貴重な文化遺産である言語は、生涯をか
て謙虚に、根気よく学び続けなければならないものである。
(4)35年たっても日本語に自信がもてない 翻訳家 C.S テリー
- 日本に来てはじめの10年ぐらいは、日本語ができると自慢できた。その後、自
分の日本語がどんなに下手かということに気がついた。毎日、日本の新聞を読み、
テレビを見、日本人と話をし、そのうえ日本語を使った翻訳の仕事を続けて35
年以上になるが、今でも納得できる日本語ができていない。
- 日本人も、数年ほど英語を勉強して完全な英語ができると思うのは、思いあがり
もはなはだしい。
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